琢磨 ROOM

 

奴隷妻


 


真夏の刺すような日差しの中、アスファルトからの照り返しを浴びて、季実子は新宿のシティホテルに向かっていた。

オフィス街に似合わぬ真っ白いノースリーブのワンピースは、道行く男性の視線を集めるのに十分過ぎる。駅からの道すがら、20代後半、着やせする季実子の膝上20センチのミニから伸びる脚線を横目で追いかけ、すれ違いざまにタイトに包まれた形のいいヒップを振り返り、その中に包まれている下着のラインを卑猥に撫で回す男の視線も十分わかっていた。

恥ずかしさと淫靡な快楽の入り混じった気持ちで、足早に華やかなホテルのエントランスを抜け、ロビーに入ると季実子はしばし周りを見渡す。

程なく、ロビー横の吹き抜けのカフェラウンジに夫の亮二の姿を見つけると、ラウンジを一周するように入り口に向かう。足元では薄いエメラルドグリーンに白いラインをあしらったピンヒールの音がコツコツと響いている。

ウェイターの案内をやわらかく断り夫のテーブルに近づくと、夫の横に座っていた若い男が慌てるように立ち上り、ペコリとお辞儀をした。

「案外早かったな」

亮二は、にこやかに声をかけた。

「タクシーだと込みそうだったから電車で来たの」

季実子は答えながら若者のほうに視線を移す。

「そうか、その方が早いな」

亮二も若者のほうに視線を移すと、

「神田君、彼女が私の妻だよ。で、彼がいつも話しているアルバイトでプログラムの手伝いをしてもらっていた神田君」

神田はまた座ったままペコリと頭を下げる。

季実子はその美しい顔にやさしい笑顔を浮かべ

「季実子です。始めまして」

と挨拶をする。

「神田君は、少し人見知りなんだよな。でも、お前のことは色々話してるからすぐに仲良くなるんじゃないかな」

亮二は、豪快に笑いながら言った。

伏目がちに、斜め横に座る季実子の太ももまでずり上がったスカートの裾を盗み見する神田は、少し丈の短い時代遅れのジーンズに、首周りが延びきったTシャツという、贔屓目に見てもこのホテルのラウンジにふさわしくないいでたちである。

季実子は、道ですれ違った男たちの視線を受けた時と同じ感覚を神田の視線によって感じながら、

「そうなんですか?早く親しくなれるとうれしいですわ」

と神田に語りかけた。

「しゃ、社長さんから奥さんのことは、お、お聞きしてます」

神田は搾り出すような声でやっとそれだけのことを言った。

「どんな風に噂されてたのかしら?」

おどけながら季実子は言うと、ふと、神田がサイズの合わないジーンズのポケットに右手を入れたままなのに気が付いた。

「いろんなことさ、なぁ神田君」

神田はまたペコリと頭を下げる。

季実子には、ジーンズのポケットで密かに自分のものを握りしめている神田の行動で、亮二と神田の間で交わされた自分の話がどんなものであったかが理解できた。

亮二は、神田がアルバイトしてくれたおかげで本当に助かったとか、就職活動のためにこのほど辞めなくてはならないことが残念だとか、当り障りのない会話を続けていた。

その間も神田はジーンズのポケットから右手を出すことはなく、それどころか伏せた視線で季実子の脚線を捕らえたまま、わずかにその右手を動かしていた。

亮二の紹介で初めて会う男たちが、季実子を見て示す反応のひとつである。

季実子はもちろん、亮二さえもそれに気がついてはいたが、そ知らぬ振りで話し続ける。

「でも、神田君に今まで恋人らしい恋人が出来ないのはかわいそうだね」

「本当ですの神田さん。一度も?」

季実子も話しに加わっていた。

「は、はい、あんましもてないんで」

「そんな風には見えないのに」

季実子はやさしくうそをついた。

「だから、アルバイトでがんばってくれた御礼をしようと思ってさ」

亮二は意味ありげに笑う。

季実子はそ知らぬ振りをして

「そうですわね。」

と軽くうなずきながら、そろえていた足を組替える。

神田の瞳がその瞬間、輝くのを季実子は見逃さなかった。

亮二はそのやり取りを楽しそうに眺めながら、

「じゃあ、部屋に行こうか」

と、二人を促した。

キャシャーでサインをする亮二の傍らで、季実子は自分のヒップに、後から刺すような神田の視線と荒い興奮した吐息を感じていた。

このアンバランスな三人が午後の閑散としたホテルのエレベータに乗り込むと、ドアが閉まるとともに亮二がはっきりと言った。

「さて、季実子の体を使って思いっきり性欲の処理をしていいよ神田君」

「あっ、は、はい」

「季実子もいいね」

「はい」

季実子の顔はすでに従順なマゾの顔に変わっていた。

 

部屋は最上階付近にある二部屋続きのスイートルームで、大きく開けられた窓から副都心の高層ビルが一望できる眺めのいい部屋である。

豪華なソファが備え付けられているリビング用の部屋で、季実子と亮二は並んで腰かけ、向かい合うように神田が座っていた。

「ところで神田君、約束通りにしてきたよね。」

「えっ・・・」

「シャワーのことだよ」

「はい・・・」

「それはよかった。季実子も約束は守ってきたね」

「はい、言われた通りにしてきました」

今日の昼過ぎに携帯電話で夫の亮二から呼び出された時、亮二は季実子に下着を着ることを禁じていた。

「うん、うん、それでいいよ。さてと、神田君、まずはどんなことをしてみたいんだ」

亮二は満足そうにうなずくと、神田の方に身を乗り出す。

「本当に・・・、本当にいいんですか?」

神田は探るように季実子の方を見ながら問い返した。

季実子が答えを躊躇していると亮二が、

「本当にいいのかどうか、いつものように神田君に教えてあげたらどうだね」

と季実子を見て言った。

「はい」

季実子はそう答えると、ゆっくりと立ち上がり後を向いてソファに手をつき、ためらいながらタイトミニのワンピースの裾をたくし上げはじめた。

今まで何度となく繰り返されてきたように、見知らぬ男の前で自分の恥ずかしい肢体をさらけ出さなくてはならない。そう思う恥ずかしさと、それによって相手の男が示す反応による興奮が季実子の大事な部分を刺激する。

スカートの裾は太ももを通り過ぎると、パープルのガーターベルトに包まれた形のいい小さな白いヒップが現れてくる。

神田は目を血走らせてその中心部を凝視した。

パンティをつけていないあらわな季実子のそこは、すべて剃毛され、訪れている被虐的快感で濡れそぼる陰部が露出されていたからだ。

ソファの背もたれに預けた季実子は、見知らぬ男に目で陵辱されるという行為に子宮の奥に電気が走ったようになっていた。

(だめ、そんなにじっと見ないで。そんなに見たらあふれてきちゃう)

(この人も興奮しているんだわ。私を見て感じてる)

それでも季実子はその細く長い指を自分の秘部に差し込み、神田を誘うように中をまさぐる。

「これでわかったろ、神田君。季実子はこういう女なんだ。」

神田は無言でうなずくと、部屋に入っても以前ポケットに入れたままの右手をさらに強く動かした。

「ここまで電車できたのも、下着を着けていないここを見られるかもしれないと思って、興奮するからなんだろう」

季実子の尻を撫で回しながら亮二が言う。

「そんな・・・」

季実子はいやいやをするように尻を振ってみせる。

確かに、電車の座席に座っている時や、駅で階段を上る時男の視線を感じてあそこがあふれそうになったのは事実である。

「本当のことじゃないか。さあ、神田君が安心してできるようにお前の口からお願いしなさい」

亮二は季実子の尻を平手で思いっきりたたくとそう言った。

「神田さん、私の体をあなたのおもちゃにしてください。」

消え入りそうな声で季実子はそう言った。

「どうだね、わかったかい。神田君もそろそろジーンズの中で痛いくらいになってるんだろ」

神田は、亮二にそう言われるとビクリと動かしていた右手を止めた。

「いいんだよ、季実子の体で他の男が勃起するなんて私もとっても興奮するんだから」

「季実子、神田君をちょっと楽にさせてあげたらどうだ」

「はい」

たくし上げたワンピースを元に戻すとテーブルを回り込み着衣のまま神田の足元にひざまずく。

肩の下まで延びたレイヤーにカットした髪から甘い香りがする。

季実子はすでに興奮で潤んだ瞳で神田を見上げながら

「神田さん、あなたのちんぽをしゃぶらせてください」

と、とてもこの美しい女が口にするとは思えない言葉を発する。

これも日ごろから亮二に教えられている言葉だ。

亮二は季実子が男を喜ばせるよう、あらゆる卑猥な言葉や表現を季実子に教え込んできた。

そう言った言葉を口にすることで、季実子自身も開放されますます倒錯した世界にはまっていったのである。

ジーンズのファスナーに季実子が手をかけた時、わずかに神田は腰を引いたが、すぐに腰を浮かせてジーンズを脱がせるのを手伝う。

神田ぐらいの年の青年なら履かないであろう、白い前開きのついたブリーフの中の塊は、ブリーフを突き破らんばかりに勃起し、下着の生地にヌルヌルとしたしみを作っていた。

「もうこんなになって、すごい」

季実子は、そっとその男根に右手を添えてなでると、さらにブリーフも下ろしていった。

開放された男根はかなりの大きさを保ってはいたが、季実子がラウンジで神田を見たときに想像した通り、亀頭の上部まで皮で覆われる仮性包茎であった。

「神田君は三日前に私と約束して、それ以来シャワーには入っていないんだよ。お前がその方が興奮するからね。」

神田の横に座りなおした亮二は上から季実子を眺めながら言った。

確かに言われるとおり、マニュキュアで整えられた形のいい指で握られている男根は、異臭を放ち季実子の鼻腔を刺激する。

ゆっくりとその皮をむくと、先走りの液で濡れそぼった亀頭とカリの部分には、白い恥垢がこびりついていた。

(す、すごい。こんなに汚れているもので汚されるんだわ)

すでに雌になった季実子は握りしめた指を上下に動かしながら

「わたし、汚くて臭いちんぽをお口でお掃除させていただくのが大好きなんです」

と、いつも亮二に言わされている卑猥な言葉を季実子は口にした。

「神田さん、あなたのちんカスを舐めさせて」

そういうと季実子は舌先を伸ばし、白く濡れながらこびりついている恥垢を舐めとっていく。舌先に臭くピリピリとした味わいが広がっていく。

神田はその季実子のノーブルな顔をじっと眺め、されるがままになっている。

童貞の神田にはこんなに美しい女性に口で愛撫された経験がないばかりか、亮二に言われた通り三日シャワーを浴びずにいた自分のものを、まるで猫がミルクを飲むように人妻に舐めまわされているのが現実に起きていることとは思えなかった。

亮二からの要望は出来るだけ汚していいということだったので、毎晩日課にしている自慰の後も、余った皮に溜まった精液もふき取らずそのままにしていたのに・・・。

すでに、亀頭の先からはとめどなく先走りがあふれ出て、舐めまわす季実子の舌先はその液で糸を引き出す。

「どうだい、季実子のおしゃぶりは」

「気持ちいいです」

神田にはそれを言うのがやっとのようだった。

「おいしいわ。すごくおいしい」

カリのあたりの最も汚れてる部分を、やわらかい舌使いで季実子は舐めている。

「とりあえず、イッちゃってもいいんだよ。」

亮二のその言葉を聞きながら、季実子は皮が戻らないよう指で余った皮を根本付近で押さえて、艶やかなグロスを塗った唇を被せていった。

「あー・・・」

神田は腰を突き出しながら大きくあえぐ。

異臭とあふれ出てくる先走りを口腔内に感じながら、季実子は唇を締め付け、口の中で男根に舌を絡めて頭を上下させる。季実子の唇からは唾液と我慢汁が入り混じった液がこぼれ出て根本を握る指にまとわりついていく。

(すごく出てくる。ねえ私の口は気持ちいいの?)

(もっと私の口を汚して)

季実子が一気に深くくわえ込んだ時、神田はさらに腰を突き出したため、喉の奥にあたり季実子はわずかにむせた。

いったん唇を離すとますます淫乱になった瞳で見上げながら

「季実子に、ちんぽ汁をいっぱい飲ませて下さいね」

と、哀願した。

あらためて舌先を近づけながら、顔を傾け自分の夫の様子をうかがうと、いつものように食い入るように自分の妻の痴態を見入っている視線とぶつかった。

そのまま視線を季実子に合わせたまま

「こいつは、どんな男のザーメンでも喜んで飲み干す淫乱女なんだよ」

と、神田に言葉を投げる。

(そんなこと言わないで。亮二が言うから、しているのよ)

(私のこんな姿を見て、亮二さんも感じてくれる?)

(いやらしい私をもっと見て)

夫にさらに哀願するような視線を送った時、季実子の口の中で神田の怒張が大きく膨らみ、一拍空けて断続的な大量の射精が始まった。かなり粘り気のあるさらにもましてきつい匂いの精液を季実子は口を離さず、夫の目を見たまま受け止めた。口の中では放出し続ける膨れ上がった亀頭を舐めまわしながら・・・

(出てるわ、この人のザーメンが、今、私のお口の中に出てるのよ)

(見て、亮二さんが望むとおり、他の男のものをお口で受け止めてる私を見て)

しばらく続いた射精がおさまると精液と唾液と男根でいっぱいになった口の中で、ひとしきり亀頭に舌を絡めると、ゆっくりと唇を神田から離す。

「たくさん出してもらったかい」

季実子の目を見たまま亮二が聞くと、季実子もそのままの視線で唇を閉じたままうなずいた。

神田はグロスと唾液で光った自分のものを、まだ固くしたまま季実子の顔の前に露出して、夢見ごこちの顔をしている。

ただ視線は季実子の顔を捉えたままだ。

こんなモデルのような人妻が自分の汚れきった性器を舐め回し、あげくには大量に放出した精液を口に溜めているのだ。神田のような男が信じられなくても無理はない。

「こぼさないように口をあけてごらん」

言われて季実子は薄く口を開けた。あまりの精液の量で大きく口を開けるとあふれ出てしまうからだ。

亮二はかがみこんで季実子の顔を覗き込むと

「すごい量だね、神田君。やっぱり若いと多いよね」

と言い、

「じゃあ味わって飲み干していいよ」

と季実子を促した。

唇を閉じると季実子は、今日始めて会った、シャワーにも浴びていない童貞の男の精液を喉の中に流し込んでいく。

一度では飲み下せず、二度喉を鳴らした。

神田の濃い精液は季実子の喉を素直に落ちてくれず、飲み込んだ後も喉の中にダラダラとへばりついているようだった。

「どうだい、神田君。一回抜いて少しは楽になったかい」

「はい」

幾分正気を取り戻した顔で神田は答えた。

「それはよかった。季実子はどうだい?」

「ザーメンをたくさん頂けてうれしいです」

「まあ、この後のプレイのためにもいつも一度は季実子が口で奉仕するんだよ。それに妻はザーメンがかなり好きだしね」

神田の肩をたたきながら亮二は言った。

「今まで、いろんな男たちのザーメンを味わわせたよな」

季実子は立ち上がりながら軽くうなずくと、居住まいを正し神田の正面のソファに座りなおした。

ジーンズを履きなおす神田の目には、季実子がすでに清廉な人妻の姿に戻っているようであった。

「じゃあ、神田君も落ち着いたことだし本格的に楽しもうか。ちょっと待っててくれな」

亮二はそう言うと、ソファを立ち上がり、つづきになっているスィートの隣の部屋に入っていった。

季実子と向かい合ったまま、神田はまた季実子の目をうかがうように、小さな声で

「すみません」

と、言った。

「えっ?」

季実子はラウンジに居たときの笑顔で聞き返した。

「・・・・」

「神田さんが謝ることは何も・・・」

「社長さんに洗うなって言われていたから」

足元に視線を落としたまま神田は言った。

「いいんです。さっき私が言ったことは本当ですから」

視線を戻した神田を潤んだ瞳で見つめながら季実子は言った。

「本当に、汚れた男性を愛撫したり、ザーメンを頂くと感じてしまうんです」

そう言う季実子の顔はまたもやマゾのそれだった。

 

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